Chapter−12:のこされたかのうせい
ギルドで保安官に事情を話したツクヤミとタカハル。 ミンティアは頑張ったけど、次につながる手掛かりがないと落ち込むギルドの一行。 ヨノワール「いや。そうでもないですよ。」 ヨノワールさんきたあぁぁ!! ヨノワール「手掛かりはあります。まず……霧の湖ではユクシーが時の歯車を守っていたそうですね? そして地底の湖ではエムリットが時の歯車を守っていた……。」 タカハル「そ、そういえばっ! エムリットが言ってた! エムリットは霧の湖の時の歯車が盗まれたことを……ユクシーからテレパシーで聞いてたんだって。」 ダグトリオ「なんとっ!」 ドゴーム「そうなのかっ!」 ヨノワール「やはり……。これはある言い伝えにあったものなのですが…… それによるとユクシーは知識の神、そしてエムリットは感情の神と呼ばれ…… 3匹で精神界を司っており……世界のバランスを保っているとされています。」 タカハル「さ……3匹? それはユクシーとエムリット以外に……もう1匹いるってこと?」 ヨノワール「そうです。残るはアグノム。意志の神と呼ばれています。 ユクシー、エムリットは時の歯車を守っていた…… ならばアグノムもまた時の歯車を守っているのではないかと。」 いやホント、ヨノワールさんの情報のソースが知りたいわ。 言い伝えってことはやっぱり図書館とかあったんじゃないか未来世界? チリーン「そっか! アグノムのいる場所を捜しだせれば……そこに時の歯車があるかもしれないし…… そこにジュプトルが現れる可能性も高いということですね!」 ヨノワール「そうです。ユクシー、エムリット、アグノムの3匹は……それぞれ湖に住むと言われています。 現にユクシーとエムリットは湖にいました。ですのでアグノムもまたどこかの湖にいると思われます。 ただし、ユクシーがいた湖は高台の頂上に……そしてエムリットの湖は砂漠の地底深くというように…… それぞれ普通ではない場所に湖がありました。 ですのでアグノムのいる湖も……常識を超えた場所にあるのではないかと思われます。」 ドゴーム「そっかー! 普通に湖を探してちゃダメってことかー!」 ペラップ「いやいやいやいやいやいやっ♪ ヨノワールさんはやっぱりスゴイ! 改めて尊敬しちゃいましたよ〜♪」 ヨノワール「そんなあ……。テレますよ……。」 何だこのかわいい生き物。 ダグトリオ「いや。ワタシたちも尊敬しちゃってるぞ。 もともと北の砂漠を調査してくれって言ったのもヨノワールさんだ。 実際砂漠の地下に時の歯車があったワケだから……ヨノワールさんの判断は正しかったってことになる。」 キマワリ「そっか! じゃあワタシ達が調べた東の森や水晶の洞窟にも…… もしかしたらまだナゾが残ってるのかもしれませんわ!」 ヨノワール「そうだ! ビッパさん。」 ビッパ「へ? あっしでゲスか? あっしに何か?」 ヨノワール「ひとつお願いがあります。以前あなたが拾ってきた水晶なんですが……ちょっと貸していただけないでしょうか?」 ビッパ「ええ!? あの水晶でゲスか!? イ、イヤでゲス! あれはあっしの大事な宝物でゲス……。」 ヨノワール「……い、いや。別にとったりはしないですからご安心ください。 ツクヤミさん。ツクヤミさん。あなたにビッパさんの推奨を……触ってみてほしいのです。」 ツクヤミ(……!! 自分が……水晶に? ……。) ヨノワール「もし水晶の洞窟にナゾが残されてるならば……ツクヤミさんが水晶に触れた時…… 時空の叫びが発動し、何か見えるかもしれません。」 ツクヤミ(なるほど。そういうことか……。) ツクヤミ、クールだなぁ……。 時空の叫びのことを初めて知るギルドのメンバー。話したことなかったもんね。 ヨノワール「ですので、ぜひ水晶をお借りしたいのです。どうでしょうか?」 ギルドの全員に見つめられるビッパ。こりゃ断れないよなあ。 ツクヤミ(この水晶から……一体何が見えるというのだ……。) チョットマテ。何だツクヤミ、この言い回しは。 そして時空の叫び発動。上手く発動してよかったね。 そして見えたのは、ジュプトルに襲われるアグノムの姿。しかしこれが過去なのか未来なのかは謎。手遅れかもしれないと焦るギルドのメンバー。 ヨノワール「皆さん! ちょっと待ってください! 確かに過去が見えたのかもしれませんが……未来が見えた可能性だってあります。 タカハルさん。エムリットが言ったことを思い出してほしいんですが…… エムリットに時の歯車が盗まれたことをテレパシーで教えたのは……ユクシーだと…… そうおっしゃったんですよね?」 タカハル「うーん……」 エムリット「とぼけるなッ! 私はユクシーからテレパシーで聞いてるんだよ! 霧の湖の時の歯車が盗まれたことを!」 タカハル「うん。間違いないよ。」 ヨノワール「アグノムの名前は?」 タカハル「聞いてないよ。ボク、アグノムの名前はヨノワールさんからここで聞いて初めて知ったぐらいだし。」 ヨノワール「それなら! 可能性あはります! エムリットがアグノムから教えてもらったというのであれば…… ツクヤミさんが聞いた時空の叫びは過去のものとして間違いないのですが……でもそうではなかった。 エムリットはアグノムの名前を口にしなかった……ということは…… 未来である可能性はあります!」 さすがヨノワールさん……冷静である……。 ヨノワール「それにもうひとつ。確実に言えることがあります。 水晶を手にした途端、ツクヤミさんは時空の叫びを聞いた……そしてそこには時の歯車があった…… ということは……水晶の洞窟のどこかに……時の歯車の場所に通じる道がある…… ということじゃないでしょうか。」 そりゃそうだ、という野暮なツッコミは禁止ですよねそうですよね。 ヨノワール「確かに、もう手遅れかもしれません。でも、間に合う可能性だってあるんです! であれば、その可能性に賭けてみてもいいんじゃないでしょうか!」 ヨノワールさんの一言に盛り上がるギルドのメンバー。 いやぁ、相手の心を動かすのが上手いですなぁヨノワールさん。素敵です。 そしてペラップが親方様に号令を促します。しかし動かない親方様。 親方様「…………ぐぅ……。」 ペラップ「えっ?」 ペラップ「……ぐぅぐぅ……。」 寝てました。さすが親方様……。 ペラップが必死で起こします。そして目を覚ました親方様にペラップが説明するよりも早く、ジュプトルを捕まえるよ! と言ってたあーっ!! を繰り出す親方様。盛り上がるギルドの一行。固まるペラップ。 いや、ペラップマジで固まってるよ。かわいいなあこいつ。 ヨノワール「わたしも水晶の洞窟に行きます。頑張りましょう! みなさん!」 いいところですらヨノワールさんに持っていかれたペラップ。憐れなり。 タカハルも盛り上がります。 ペラップ完全に固まっています。ああ……。 ペラップ「……………………。」 依頼リスト整理ついでにムックル♀・ムクドリを仲間に。 いいじゃないかどうせ未来行ったらもうそんなにレベル上げる機会ないし……。どうせレベルも上がってないし……。 さて、それでは水晶の洞窟へ。 ―すいしょうのどうくつ― ハブネーク♂・ハブ、ズガイトス♂・ズガイ、ダンバル・ダンベル、タテトプス♀・タテを仲間に。 途中で秘密のバザーを発見。いやぁいいですね。何てったって最近食糧不足なもんで。 そして水晶の洞窟の奥底へ到達。 そこには3つの大きな水晶が。触ると色が変わります。 その時、時空の叫びが発動。誰かの声がします。 なるほど。知識・感情・意志という3つの精神のうち……アグノムは意志をつかさどる神だ。 意志とは成し遂げようとする心。つまり意志の色を……水晶の色をひとつに合わせれば……道は開くのか。 問題はアグノムの心の色だな。アグノムは水晶の湖に住んでいる。 ならば、アグノムの心もまた水晶に……。 ヒントは多少出るにしろ、色を合わせるのって難しいですよね。 ま、誰でもすぐわかるとは思いますが。アグノムだし。 でもこれはさ、やっぱここで意表をついて赤とか緑にすべきだったんだよ! (お前な) とりあえず水晶の色を青に。 すると地響きが起こり、新しい入り口が。駄目だ。何度見てもレジアイスにしか見えない。 ―だいすいしょうのみち― タツベイ♂・タツ、フローゼル♀・フロート、ミノマダム(草のミノ)・クサマダム、アブソル♂・アルス、ニャルマー♀・シャムネコ、オニゴーリ♂・コオリオニを仲間に。 タカハル、ころがるなんて覚えるのか……。金銀以降ヒノアラシ使ったことないから知らなかったわ。 いやしかし、やっぱりモンスターハウスは遭遇した時の焦りが半端ないですな。 そしてまた途中で秘密のバザーに遭遇。出現率意外と高い? そして水晶の湖に到着。 湖の真ん中の島のようなところにアグノムとジュプトルが。 ジュプトル「もらっていくぞ。時の歯車を。」 そしてジュプトルが時の歯車を取りに行こうとします。ツクヤミが時空の叫びで見たのと同じ光景。 アグノムを助けに行くことに。 ジュプトル「あそこに沈むのが……時の歯車だな。ではアグノムとやら。悪いが……時の歯車はもらっていくぞ。」 兄さん、だからそれ完璧に悪役のセリフだよ。 しかしアグノムがジュプトルを制止します。 ジュプトル「………………。オレの名前を……知っているのか?」 アグノム「盗賊ジュプトル……。オマエがここに来ることは……ユクシーとエムリットから聞いていた。 本当はボクの手でオマエを倒せればよかったんだけど……もしダメだった時のためも考えて…… ある仕掛けをしておいたんだ。」 ジュプトル「何ッ!?」 そしてアグノムの眼がきらりと光りました。 ジュプトル「何を……何をした!」 ツクヤミ達のところにも伝わってくる地響き。そして湖を数多くの水晶が取り囲んでしまいました。 ジュプトル「こ、これは……。湖が水晶に覆われて……時の歯車をとることができない……。」 アグノム「ジュプトル……。時の歯車は……絶対に渡さない……。ボクの命に代えても……絶対に……。」 ジュプトル「キ、キサマッ! オレは何としてでも手に入れる! 時の歯車を! アグノム! キサマを倒してでもなッ!」 くどいようですが、兄さん、だからそれ悪役のセリフ。 そこへミンティアが駆けつけました。 ああ、アグノムが片目閉じてる。細かいなぁ。 タカハル「ジュプトル! オマエに時の歯車は渡さない!」 ジュプトル「オマエたちに用はない。そこをどけッ!」 タカハル「嫌だっ! 絶対にどくもんかっ!」 ジュプトル「本気で言ってるンだな! どうしてもどかぬというのなら…… しかたがない! オマエたちから倒してやるッ!! いくぞッ!!」 どうでもいいけど、「ん」がカタカナなのが気になるよ兄さん。そしてやっぱり悪役のセリフだよそれ。 途中で拾ったもうげきのタネを食べて「タネマシンガン」撃ってタカハルが「かえんほうしゃ」くらわせたらあっさり倒せました。もうげきのタネすげぇ。そしてタカハル強ぇ。さすが相性一致。 でもさ、こうやってあっさり勝てても弾き飛ばされるのは納得いかねぇよ。せめて絶対勝てねぇくらいの強さに設定しといてくれよジュプトル。 というわけで弾き飛ばされるツクヤミとタカハル。傍らのアルスとコオリオニは汗かいて固まってます。 ジュプトル「そこをどくんだ!」 タカハル「!! (こ、声が出ない……。)…………。(でも……絶対にどくもんか!)」 ジュプトル「どかぬというのか! ならば! しかたがない!」 ツクヤミ(い、いけない! このままだとタカハルがやられる! で、でも身体が……。) チョットマテ。自分の身も心配しようよツクヤミ。 タカハル「…………。(ううっ……。)」 ジュプトル「全ては時の歯車をとるためだ! 許せッ!」 そしてツクヤミとタカハルが襲われそうになったその瞬間! 待てっ!! ヨノワールさんきたああぁぁぁっ!! ジュプトル「くッ!」 タカハル「!! (ヨ、ヨノワールさん!!)」 ヨノワール「大丈夫ですか!? タカハルさん! ここはわたしに任せてください!」 そう言ってジュプトルを弾き飛ばすヨノワールさん。あなたもツクヤミはガン無視ですか。 ジュプトル「うおっ!! キ、キサマは!?」 ヨノワール「久しぶりだな! 探したぞ! ジュプトル!」 タカハル「!? (えっ? どういうことそれは!?) …………。(ヨノワールさんはジュプトルを知ってるってこと!?)」 ジュプトル「クッ! ここまで……ここまで追ってきたというワケか……。随分と執念深いんだな。」 ヨノワール「ジュプトル! もう逃がさんぞ!」 ジュプトル「ヨノワール……。キサマがこの世界に来たのは驚いたが……しかし!」 ヨノワール「戦うのか。いいだろう。しかし勝てるかな? このわたしに?」 そしてヨノワールに襲いかかるジュプトル。しかし次の瞬間、ジュプトルの姿はどこかへ消えました。 タカハル「!? (ジュプトルが消えた!?)」 ヨノワール「ジュプトルめ! 初めから戦うつもりなどなかったな! 逃がすものか!」 そう言って消えるヨノワールさん。影を若干残しつつ消えるところがいいと思う。ゴーストっぽくて。 そして意識の遠くなるタカハル。そこに駆けつけるギルドの仲間たち。 慌ててツクヤミとタカハルを連れて帰ります。 でも自分的にすごく気になるのは、以上のやり取りの間ずっと固まってるアルスとコオリオニなんだ。 気がつくとギルドの部屋でした。 チリーンが仲間を呼ぶと、ギルドの連中がこぞって部屋へ。ええ話や……。 そしてタカハルは、ヨノワールさんがジュプトルのことを知っていたのではないかとギルドのみんなに言います。 その時、緊急のサイレンが。保安官から、トレジャータウンの広場に集まってほしいと連絡がきました。 さて、このチャプターもここで終了。 それではまた次回! ……で、だ。 以下管理人のどうでもいい語りなので、興味のない方はそのまま終わりましょう。 あー、以前書いたヨノワール小説とかここでの言動でもわかるとおり、自分って相当なヨノワール擁護派なんですよね。 まぁその理由は小説を読んでいただくとして(お前な)じゃあジュプトルはどうなのかと。 まあ正直なところ、ヨノワールと大差ないと思うんですよね、彼のやってることは。 ヨノワールは未来を消さないために、過去を変えようとするやつを処刑しているわけですよね。 で、ジュプトルは未来を変えるために時の歯車を集めていると。 で、ですよ。 ちょっと思いだせない方は上の方のジュプトルのセリフをちょっと読み返してください。 ……と言いたいところですが面倒だと思うのでこちらに持ってきます。 「オレは何としてでも手に入れる! 時の歯車を! アグノム! キサマを倒してでもなッ!」 「どうしてもどかぬというのなら……しかたがない! オマエたちから倒してやるッ!!」 「どかぬというのか! ならば! しかたがない! 全ては時の歯車をとるためだ! 許せッ!」 はい、まあ一部カットしていますが、大体こんな感じ。 これって……どうなんでしょう。 要するにこれ、「時の歯車を手にするためなら邪魔者を消してもしょうがない」ともとれませんかね? それってさ……ヨノワールと結局変わりないんじゃないの? と思うわけですよ、自分は。 で、まとめると、ジュプトルもこの時代は結構過激なこと言ってたんだぜ、という話。それだけでした。
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